So called ”Effective tax rate” in Japan?

実効税率

 実効税率(Effective tax rate)という言葉は、税法上明記されている表面税率(Nominal tax rate)に対して用いられる概念ですが、その意味は使用される文脈により多少異なっています。

 例えば、日本で一般に実効税率というと、いわゆる法定実効税率(Statutory effective tax rate)を意味する場合が多いといえます。これは、法人税の計算において地方税が損金に算入されることから、税務上の利益に対して計算される実際の税負担率が、国税地方税の税率を単純に合算した割合と異なることから生じるものです。

法人税等の負担率

 しかしながら、世界的にEffective tax rateというと、企業の税負担割合を意味します。日本語では税効果会計適用後の法人税等の負担率といわれます。日本における英訳では、その区分を明確にするためにActual(Estimated) effective tax rateと記載されることが一般的です。

 従って、外国人との会話の中でEffective tax rateという言葉が出てきた場合には、個別の企業の実際税負担割合を意味するものと捉えたほうが無難といえるでしょう。

税効果会計との関係

 また、税効果会計の適用を前提とした場合、一時差異に基づく税額負担については、繰延税金資産または繰延税金負債として計上されることから、会計上の損益計算書における税額には影響を与えません。従って、Effective tax rateとは会計上の利益と永久差異調整を行った利益に法定実効税率を乗じた税額との割合を意味します。